お便りコーナー

    会員の皆様から寄せられたお便り紹介

18.石村夏華の妊娠・出産・子育て報告 パート2

東京都 石村 修 石村 秀子

愛  称 : なっちゃん
登録犬名 : 天王の夏華
生年月日 : 2010年7月13日 雌
犬 舎 名 : 武藤
父 犬 名 : 藤の白狼号
母 犬 名 : 湘南の秋花号
愛  称 : シュン(俊)
登録犬名 : 高尾の俊行
生年月日 :2014年5月28日 雄
犬 舎 名 : 八王子石村
父 犬 名 : 宮乃赤竜
母 犬 名 : 天王の夏華

6月初旬
 そろそろ名前を決めなくてはと思い立ち、意を決した。
1番君・・・・・高尾の俊行(たかおのしゅんぎょう)
2番君・・・・・高尾の伯隆(たかおのはくりゅう)
3番子ちゃん・・高尾の清姫(たかおのきよひめ)

 八王子の高尾山は天狗のお山で、信仰のお山・修行のお山として大変有名である。東京だけでなく関東一帯、さらには東日本一帯でも知名度が高く、多くの人に信仰されている。そのおひざ元に産まれたこの子たちに上記の名前をプレゼントした。

高尾の俊行
 高尾山は、天平年間に行基様によって開山された。大変にぎわっていたようだが、長い歴史の途中、お寺に住むお坊さんがいなくなり荒れ果てた状態になった。
 室町年間に俊源大徳様が荒れた高尾山を再び蘇らせ(中興開山)、徳川の力添えを得てますます立派になる。
 お山の開山に関わられたお二人から一文字ずついただきまして「高尾の俊行」と命名。

高尾の伯隆
 高尾山には滝が五つある。そのうち蛇滝・琵琶滝では現在でも「滝行」が行われ、白装束の方が滝に打たれておられる。
 蛇滝のいわれに、白蛇が猟に来た村の若者たちにひどい仕打ちを受けていたとき、通りがかった俊源大徳様が白蛇を助けた。この白蛇は神様の使いで、俊源さまが修行のできる滝を探していることを知ると、断崖絶壁になっているところに自分の身を置き滝に化身した。そうしてできたのが蛇滝だと伝えられている。
 白蛇の白と大山隆玄様(現在の高尾山貫主)の隆をいただき「高尾の白隆」と命名。
毛の色は茶色なんだが、特別に気にいっている名だ。しかし、1ヶ月ほどして、白が伯となる。

高尾の清姫
 女の子は1頭だけだった。健やかに、美しく、強さを持ち合わせた子に育って欲しいと願い、清滝の清をいただいて「高尾の清姫」と命名。
清滝は、高尾山の登り口にあって、きれいな水が落ちており、お山に登る人の心を最初に癒してくれるありがたい滝だ。ケーブルカーの駅の名前にもなっている。
みんなに愛される「清ちゃん」なってねと願いを込めている。
 体重計の調子がおもわしくなく上手く測れない。仕方がないので新しいものを購入した。
6月3日、6日ぶりの体重は、
俊行・・・605g
伯隆・・・510g
清姫・・・510g
 俊ちゃんのおっぱいの飲み方は音がすごい。グビ―グビー、夏華はかなり痛いんじゃないかと気の毒になる。それに引き換え清ちゃんはあちこち動き回っておっぱいを取り替える。最初に清ちゃんが我がものにしたおっぱいを、いつの間にかお兄ちゃんたちに横取りされている。

登録犬名 : 高尾の俊行(雄)
       高尾の伯隆(雄)
       高尾の清姫(雌)
生年月日 : 2014年5月28日
犬 舎 名 : 八王子石村
父 犬 名 : 宮乃赤竜王号
母 犬 名 : 天王の夏華


6月10日(13日目)
体重  俊行・・・950g
    伯隆・・・850g
    清姫・・・750g
 1番大きく産まれた俊ちゃんが目を開けたみたい。でも、直ぐまた閉じてしまい・・もうちょっとかな。

6月11日
 一日中雨,雨,雨・・・。それでも午前中、雨の少ないときに散歩。とびきり大きな
ウンチを出し終わるとさっさと帰宅。夕方は大雨。朝、大量に出しているので多分大丈夫とあまくみた。夕方薄暗い洗面所にウンチが・・・。見れば、玄関の網戸が開いている。出ようと思っていろいろ試みたんだな、ごめんごめん。
 夜中、トイレに起きたらトイレの近くにウンチ発見!ヒッ!
 朝5時頃、お父さんに昨日のウンチ騒ぎの話をしていると、またトイレ脇にウンチが・・・。なんとまあ・・・。言葉もなくなってしまったが、きれいに片づけて夏華に話した。「散歩に連れて行かなかったから困ったんだね。これからは、雨が降ってても散歩にいこうね。ごめん・・・」。
 産後でお腹すくだろうと多めにご飯を与えていたのでこういう惨事になったんだろうな、と反省。

6月13日(16日目)
 全員目を開けた。一段とかわいい気がする。
今日は、坂田さんがお見えくださって仔犬たちを手にとってしっかり診てくださった。
・全員順調に育っている。夏華を栄養状態がよく、授乳、子育てをがんばっている。
 安心できる言葉をいただき、先ずは、ほっと胸をなでおろした。
 会のきまりや、これからの予定を話してくださり、最後に「これから、見える・歩ける・食べるなど様々な機能が一人前に働き始めると、家の中が大変になりますよ」と教えてくださった。本当に、みんな眠っている間は静かだが、誰かが目覚めると騒ぎが始まる。でも、まだささやかなものなのかも。
 坂田さん、遠くまで見に来てくださりありがとうございました。お陰で、飼い主が元気になれました。 

6月16日(19日目)
 よたよたしているが、俊君は4本足歩行ができつつある。ガンバレ!
3匹の仔犬はコロコロと大きくなり、活発になった。ハウスから逃亡する事もしばしば。

6月18日(21日目)
 3週間が過ぎたことになる。
体重 俊行・・・1300g
   伯隆・・・1100g
   清姫・・・1000g
 大きくなったね。みんなとても元気。ハウスからうようよ這い出して、俊ちゃん
「ワン」と鳴く。みんな下手ながらも4本足歩行で歩いている。みんな、でかした!

6月20日(23日目)
 朝、俊君が脱走していた。清ちゃんもハウスから出ようともがいていた。ハウスの
周りに黄色いよごれがいくつもついていた、『ウンチだ!』夏華はお尻を舐めるのに、
この汚れはそのままになっていた。
なんであれ、とにかくめでたい。
 ためしに重湯を作ってみた。米を研がずにのり状になるまで煮て舐めさせてみたが見向きもしてくれない。私の指に重湯をくっつけて差し出すとペロペロ舐める。
 それぞれに少し舐めさせただけであっさり諦めた。残りは、夏華ママがよろしく食べた。しかし、離乳食が私の課題になった。

6月28日(1ヶ月)
 生後1ヶ月の誕生日だ。
1ヶ月の記念にどうしても離乳食を食べさせたいと思って、朝から張り切った。
 米(洗わずに1掴み)
 野菜(人参・かぼちゃ・キャベツ)を1時間20分、のり状になるまで煮込んだ。
1番に私が味見。美味しい、実に美味しい。
よくさまして、大きくて深さのある入れ物に全員分をまとめて入れ、みんなの真ん中に置いてみた。「ギャッ」と集まってくると一気に口が動きその動きの速いこと、ガツガツ・ガツガツまたたく間に空っぽになった。
 伯ちゃんと清ちゃんは入れ物の中に入り込み、飯粒一つ残らないように、きれいに舐めまわしてくれた。
 「これでいいんだ」と私が嬉しくなり、これから迷わずにすむと思うと心が軽くなった。今日は忙しい日で、朝から散歩帰りの人たちが仔犬を見に立ち寄った。「かわいい」「さわらせて」の連発。夏華は最初ビックリして吠えたが、すぐ鳴きやんでみんなのすることを眺めていた。

6月29日
 朝から自動車屋さんが納車に来た。何故か夏華はこの人に吠えたことがない。身を乗り出して待っている。おじちゃんの傍から離れない。仔犬を抱っこしても平気。
夏華のおっぱいが真っ赤になって(赤むけ状態)でとても痛そう。仔犬たちが手で押さえながら飲むと細い爪でひっかいてしまったり、生えたばかりの歯が当たったりして新しい傷ができ痛そうで見ていられない。
おっぱいをくれた後は必ずしっかり舐めまわしている。あまりひどい時は、熱いめのお湯で拭いてやる。「ウー」と僅かに声を出すが、何回か繰り返して拭いてやると気持ち良さそうにしている。

7月1日
体重 俊行・・・1850g
   伯隆・・・1500g
   清姫・・・1450g
 生後1ヶ月で体重が6倍になってしまった。コロコロとかわいいのだが、これだと少し増え過ぎだろうか。みんな離乳食をモリモリ食べる。競争で食べるせいか、ご飯の中に足を突っ込むときもある。そろそろ、1頭ずつ「まて」を教えた方がいいのかも。

7月5日
 おしっこ、ウンチの量が増えて、シートや敷物の汚れが頻繁になった。雨降り続きだと乾燥が間にあわない。浴室乾燥をお犬様のために使うとは・・・。でも助かるなあ。
感謝!
 今朝がた(3時前)夏華が起こしに来た。すぐカッパを着て夏華を連れだした。
散歩道へ行かず、裏の公園へ連れて行くと隅々まで何度も歩くと大きなウンチをだした。
終わると「もういいよ」とすぐ家に戻った。
雨の日はお腹まで汚れやすいので、お腹・身体ときれいに拭いてやると夏華は、また布団にもぐりこんだ。

7月11日
 昨日から台風情報が満載。この頃、夏華は散歩に行くのは「ウンチ」をするためと思っているようで、なかなか行こうとしない。行ってもウンチを出し終わるとその場でUターンして、スタコラ帰って来てしまう。2回、3回続けて出すときは、出し終わるまで当たり前のように散歩を続ける。
 今日もひどい降りになる前にと、朝4時には散歩に出かけ、一仕事終えた。
 仔犬たちは体重を量ろうとしてもじっとしていられなくて、籠から飛び出したり、籠ごと落ちたりしてうまく測れない。

7月12日
 台風が去って蒸暑い。今日は久しぶりに体重を測ることができた。


体重  俊行・・・2150g
    伯隆・・・1850g
    清姫・・・1600g
「アーーー!」俊ちゃんどうしましょう。食事のとき1番先に「ごちそうさま」するのは俊ちゃんなのに・・・。
 みんな耳が立ってきはじめた。かわいい、ころころちゃんがだんだん夏華に似てきた。

7月13日
 ハッピーバースデイ ディア夏華!
 ハッピーバースデイ トゥユー
 4歳のお誕生日おめでとう!
子育てに奮闘している夏華が4歳のお誕生日を迎えた。毎日色々な人が赤ちゃんを見に来るので夏華はいつもハウスの傍にいる。忙しいけど、記念の年だ。

7月15日
 学校帰りに寄って犬と戯れる子が、今日はお父さんと一緒だ。よく見ておられた。

7月18日
 地域のお祭りの準備が行われた。いつもの子どもの家族は子ども会の準備を終えると夫婦で我が家へ立ち寄り、犬をよく見て「検討します」とおっしゃってくださった。

7月28日
 仔犬3頭を連れてワクチンの注射を受けに動物病院へいった。今日が、病院デビューだ。待合室でもみんなからかわいがられた。3頭とも無事に注射をすませ、フィラリアの薬をいただき一安心。薬を見るとあまりにも小さくカットされているのでおかしくなる。
 いつもの女の子のご家庭は、津田さんという名前であることが分かった。この子のお姉ちゃんが友だちと立ち寄って、やっぱり抱っこしてくれる。
今日はお母さんと女の子で寄ってくださった。子どもたちが「お母さん、お父さんがどっちにするか決めて来なさい、って言ってたじゃん。早く決めなよ」と、せがんでいたようだが、決められずに帰ったということだ。
 仔犬たちは、津田さんのお子さんたちに抱っこされるといつもいい子にしている。
一番下の子にも、お姉ちゃんにも、時々顔を見せてくれるお兄ちゃんにも甘えている。
清ちゃんが抱っこされることが多いのだが伯ちゃんがいいという子もいて、毎日、仔犬の周りは人でにぎわっている。ありがたいことだ。

8月2日
 今日は、清姫の嫁入り日。清ちゃんは縁あって伊豆高原の山本様のお宅で育てて頂けることになった。どうやって連れて行ったらいいのかと迷っていたとき、坂田さんが「わたしが預かって連れて行きましょう」と、声をかけてくださり、「あぁ、よかった」と心の底から安心し、ありがたいと思った。
用意するものを言われていたのでよく確認して準備万端でお待ちしていた。
・普段の食事(冷凍した物3~4回分) ・親、兄弟の匂いがするもの(タオル・マットなど) ・清ちゃんのお気に入りのぬいぐるみ ・おやつ少々、水 ・ケージ(小型)
坂田さんが着くと、やっぱり手馴れたもので、またたく間に出発の準備が整えられた。
「休み休み行きますから心配しないように、また、途中で連絡を入れますよ」と、おっしゃってくださり、安心してお任せすることができた。
夏華が気づかないように配慮しながらケージをうまく車に乗せたら出発。
清ちゃんは、みんなにかわいがられる仔犬だったので、山本さんにかわいがって頂ける事請け合いで送り出した。
 途中、坂田さんから連絡があった。
「とてもいい子にしている。今、パーキングエリアで水を飲んでいる」。という内容のものだった。2度目に連絡くださったときは、「山本さんと落ち合い、家まで案内してもらう」という内容だった。3度目の連絡で「無事着きましたよ」といっていただき「よかった、とにかくご苦労様でした」と、安堵感と感謝でいっぱいだった。
「清ちゃんは、車から降りるとすぐ広い芝生を走り回って楽しそうにしているから安心していいですよ」と、おっしゃっていただき、いい飼い主さんに恵まれたことがピンと伝わって来た。
 あとは、山本さんにすべてお任せすればいい。「甘えん坊の清姫をよろしくお願いします」と、西の空へ向かってお願いすると、心がすっきりした。
 いつもながら坂田さんの思いやりを伴った行動力に目を見張りながら、心から感謝した。
 
それから1ヵ月後
 清ちゃんがいなくなって他の仔犬たちはどうするだろう?と見ていたが、少しきょろきょろしただけで思ったより早く自分たちの生活に慣れた。やれやれ・・・。
2頭の仔犬たちは、ぐんぐん大きくなって、色々な機能が活発に動き出した。
ますますかわいくなり、相変わらず色々な人が立ち寄って視てくださる。

9月3日(大安)
 伯ちゃんが予定していた通り、ご近所の津田さんのお宅へ貰われていくことになった。清ちゃんのときと同じように細々準備して、当日を迎えた。
 夕方、夏華が散歩に出ると入れ違いに津田さんの車が到着し、無事に引き渡すことができた。ご近所なので散歩がてらよく顔を見せてくださる。「伯ちゃん」と声をかけると、ものすごい勢いで飛び上がってくる。俊も夏華も大喜びで舐めまわす。まだまだしっかり繋がっている。
 伯ちゃんは、津田さんのご家族5人、みんなにかわいがってもらい、いつも跳ねて跳んで楽しそうで幸せそう。こうして、伯ちゃんの成長をいつも目にすることができ、石村一家は本当に幸せだ。
 俊行はほとんどの面で夏華をはるかに上回り、驚かされることばかり。
 私が外出から戻ると満面の笑顔で、縫いぐるみを口にくわえて玄関へ迎えにでてくる。
「ただいま」と声をかけながら撫でようとすると、舐める・噛む(チクリと甘噛み)を繰り返す。俊の甘噛みはかなり痛いので避けようとするとしつこくやってくる。
「痛いでしょう」と払いのけながらも、これは、挨拶だと思えばかわいいもので、毎日同じことを繰り返し、楽しんでいる。
 散歩に出ると「さっき、そっくりな仔犬見ましたよ」と声をかけられる。「これがお兄ちゃんです。こっちがお母さん」と言うと皆さん納得という表情をされ、「いいですね。こんなに近くで親子・兄弟が顔を合わせられるなんて幸せね」と言われる。
その度に「そうだ、そうだ」と実感し、気持を新たにする。

 夏華に子どもが授かり、受胎・出産・子育てなど、めったに出会えない貴重な出来事の全てに関わらせていただき、思いがけない経験をさせていただきながら、その全容を眼と記憶に留まらせることができた。犬と共に暮らす生活の中で最高の経験だった。
 ただ、私どもはあれもこれもお膳立てしていただいた上に立ってうろうろしただけで、柴犬研究会という母体の見事な支えに感動し感謝している。
 小さな出来事の一つひとつに迷い、心配していると、必ずやアドバイスがいただけるのでたちまち元気回復。今も、いろいろなことに迷い、つまづきながら、新しい悩みに頭を抱えながら、でも、夏華・俊行がかわいくてたまらず、楽しく暮らしている。
 昨年11月、関東支部の交流会で、園田理事長、関東支部支部長の坂田さん、ジョー君(仔犬たちの父親)と飼い主である小瀬さん、横浜の菅野さんご一家、東海(中部)支部長の武藤さん(夏華の生家)など、多くの方々とお会いでき、四方山話の中にたくさんのアドバイスをいただき、嬉しさ、ありがたさいっぱいになることができた。
また、今年も色々な方にたくさんお世話になりながら、夏華、俊行といいコンビで過ごしたいと思っている。
 みなさまありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。


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