お便りコーナー
会員の皆様から寄せられたお便り紹介
10.一歳になった「なっちゃん」
八王子市 石村 修
カサコソ、カサコソ。赤や黄色に色づいた木の葉の絨毯がそこここに広がり、秋の深まりを感ずるこの頃です。絨毯に厚みができると、木々の梢が裸になり、寒そうに震えだすのですが、今は、まだ秋から冬ヘバトンタッチが行われる寸前のようです。
「夏華」は、この落ち葉の中をシャツ、シャツ、シャツと心地よい音を立てて散歩に行くようになりました。細かいことではいろいろあるが、ほぼ、順調と言えるのかな?
1歳の誕生日を迎えて。
「お誕生日おめでとう!」と浮かれていたら、誕生日の4日後から生理が始まった。先の犬が雄だったので飼い主自身がよく解っておらず、とてもびっくりしたが、うれしさに変わりはない。思わず「なっちゃん大人の仲間入りだね。おめでとう。」と何度も声を掛け、オタオタしながらも眼を離さず、くっつき回っていた。「なっちゃん」は時々自分でおしりを舐めてきれいにしていたが、うっかりすると床が汚れていることも頻繁だったので、ティッシュを持って見張っていた。1週間ほどで終わるものと軽く考えていた。ところが、犬の生理は3週間も続くと聴かされたときは、めまいがしそうだった。
夏華を見ている限り苦痛や、大変そうな様子は無かったので少し安心できた。ところが、生理の始まりと同時に散歩に行かなくなってしまった。朝(5時30分ごろ)、夕(16時30分ごろ)ともに家の裏にある公園までは行くのだが、公園を出ようとしない。引っ張り出そうとすると、座りこんでじっと私を見ている。何とも言えない瞳をして。目がものを言うというが、全くその通りで、てこでも動かないときの瞳は、「私はいきません。」と訴えているように見えてしまう。公園の中をぐるぐる回っても100メートルに満たないので、これは、散歩の仲間じゃないと思えてしまい、頭が痛かった。生理中だと思うと、地面に座りこまれるのも憚られて、結局家に帰ってしまう。 3週間過ぎて生理が終わっても散歩を拒否。
散歩拒否には困ったし、心配だったが、ずっとこのままではないだろうと楽観視してみた。
9月14日は「夏華」が岐阜の武藤家から八王子の石村へ養子に来た大切な日。
石村夏華となって1年、ずいぶん大きくなったものだとしげしげ眺めてしまった。この日は、「夏華」が到着した時の緊張して泣き声を出さなかった様子や、ご飯を待つときの行儀の良さなど思い出話に花が咲いた。
誕生日から2カ月。このころから、裏の公園歩きから一歩出て、隣の家の門を回るようになった。500メートルくらいの散歩になった。特に、朝の散歩では駆けっこをしてやれば1キロ近く歩いても平気になった。
9月が終わるころ、駆けっこを取り混ぜながら家の前のサイクリングロードを歩くようになり、距離も伸びた。 1500メートル、2000メートルに慣れ、今は、朝2500メートル程、夕方3500メートル程歩いている。散歩の中でうんちをする。おしっこも何回かしている。家の中ではおしっこの間隔が遠くなり、シートに出す回数か減った。また、シートからあまりはみ出さなくなり、成長を強く感じる。
ついこの頃、朝、気温が低く寒い。私は自分が出かける都合もあり6時30分ごろ散歩の用意をして「夏華」を見に行くと、寝ている。「なっちゃん、散歩。」と声をかけると一旦、目をあけるがまたすぐ寝る。これからさらに寒くなるので困ったことになりそう。
10月15日
かかりつけの動物病院から予防注射の連絡があった。早速15日に連れていくと、医師より、「おっぱいが授乳期のように張っている、気になるから注射は日延べにしよう。」といわれた。月末にお泊まりを予定していたので、その時注射をしてもらうことになった。お泊りの時おっぱいをよく調べてもらった。結果、病気は特になく、健康体そのもの、でも、おっぱいが出ているので、自然に止めるために食事制限をされた。フード中心で、ご飯を与えない、水分も夜9時以降は与えないようにというものだった。果物をいろいろ食べていたので、これも制限された。2週間後に受診することになった。注射はご2週間後の受診時にということになった。
フードのみという食事は初めてで、夏華は物足りないらしく、私たちが食べている間中、傍でテーブルに前足を掛けて、おしりを振りながら切ない鳴き方で「あたしにも頂戴、頂戴、ねえ、もっと欲しいよ。」と訴えた。お陰で、私たちも間食ゼロ、水かお茶を口にするのみになり、少々イ宅しかった。それでも、頑張って、頑張って余計なものを与えないよう、しっかり取り組み、2週間を過ごし、病院へ。
散歩は、欠かさず出かけた。体が、スリムになった事が分かる。
11月12日
病院へ。診察室に入ると、「よくなったね。」と言われ、みんなで「ほっ」としたが、「あと2か所だけが気になるので、もう2週間今の生活を。」という言葉がくっついてきたので、正直「またか。」と思った。でも、ここまで頑張ったんだから、やるしかないと、気持ちを切り替えた。注射は実施できたので、一安心。
どうしても、かわいそうという気分になってしまうのだが、これを機会に、甘やかし生活を少しでも改善できたら、「夏華」のためになるだろうという思いも
あり、医者から言われた禁止事項《フードの食事、水を9時過ぎに与えない、抱っこしない》を、しっかり守った。
11月26日
ひいき目抜きでもかなり良くなっていたので、楽しみに受診した。「僅かながら張っている感じが残っている。だから、食べ物をすぐ元に戻すのではなく、徐々に種類を増やして、経過観察を忘れずに行いましょう。」と条件付きで野菜を食べてよい事になった。早速、フードにキャベツをのせて食べさせた。いつも通り、あっという間に食べきるが、でもなんとなく、食事の用意に弾みがつく。とにかく良かった。
食事は、朝夕にフード(スプーン大に山盛り2杯)と、だしを取り終えた煮干し4~5尾(細かく刻んで)と、少しの野菜を、昼には野菜(キャベツ2枚、又は、白菜2枚)と煮干しの粉一振りを掛けて与えている。やっぱりいつも飢えている。
散歩にきちんと出るようになって、排泄が少し楽になった。 うんちは、基本的に散歩時にすます。朝夕2回出すことが多いので、食事の量を時々調整する。
野菜が加わると、少し柔らかい部分がある。路上でおしっこもする。夕方の散歩、4時、5時頃おしっこをして、そのまま朝まで眠ってしまうことが多い。
昼間家にいて、シートに出すときは、はみ出さなくなり、いつも、「はなまるおしつこ」と誉められる。1枚のシートに1回おしっこをしたら、決して2回は出さない。シートが汚れていると床に出してしまうので、気をつけている。日常の生活はかなり落ち着いたので、ほっとする半面、「夏華」のいたずらは、さらに盛んになっている。おしやべりも盛んになり、何を言っているのか考えるのだが、よくは分からない。特に、車の中で何か訴え始めると、どうしてやればいいのか分からなくて困ってしまう。どんな時も、とにかく排泄だけはきちんとしてやろうと気をつけている。
「夏華」は、私たちの言うことはよく理解できる。私かいつも言うのは、
・二階へ行って来るから、ここでまっててね。
・今は、膝に入れないから、椅子に乗って待っててね。
・お風呂に入るから、ハウスに入って寝るよ。
・もう少し、そこでお座りして待っててね・
・ブー(車)へ行くよ。
これ等の事はほぼ理解し、言えば一応やるので、すごいなあと感心する。「いいこだね」となでることが多い。
この頃、夕ご飯が終わるとお父さんか私の膝に入りたがる。布団を掛けてぬくぬくと過ごした後、私たちがトイレや風呂に入るため立ち上がると、居場所が無くなり、仕方なさそうにのそのそゲージにはいり、朝まで眠る。
甘やかしだが、少しずつ生活にルールができ、形が整いつつあるように思う。
おっぱい騒ぎで食事制限をされたお陰で減量ができ、7.5キログラムの理想体重になれた。キープは難しそうだが、増えすぎないように十分気をつけたい。
今後、うんと誉めてかわいがること、きちんと叱っていけない事を分からせること、この事をしっかり表に出して接していこうと思う。
分からないことが多く、今後もいろいろ教えていただかなくてはならないと思いますが、どうぞ、よろしくお願いたします。
この記録をもっと早く出そうと思っていたのですが、期限を区切られた頼まれ仕事の忙しさに追われ、延び延びになってしまった事をお詫びいたします。
この頃、「今年一番の冷え込み。」という言葉を耳にします。ただの風邪ではなく、「肺炎」という言葉も聞こえます。これからさらに寒くなる事でしょうから、予防を心がけて自分の健康を守りましょう。 (2011年12月4日記)
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