岐阜県造形教育連盟

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個展等

2018 11月  

  第18回 二人展(ファイナル)
        酒井賢(作陶)・長谷川清(イラスト)

  • 会期 2018年11月13日(火)~11月18日(日)
  • 会場 せきまちかど工房ギャラリー 関市本町
  • 「せきまちかど工房ギャラリー」に伺った。酒井賢氏と長谷川清氏による「陶芸とCG」の18回目の二人展である。せきまちかど工房ギャラリーは聞く所によると20年前、せきのまちかどに賑わいを取り戻そうと市民有志で立ち上げた施設であり、芸術・文化の交流拠点となっている。本日も朝から多くの参観者でギャラリーはにぎわっていた。
     酒井氏は、泣き仏や酒吞童子等の陶芸作品、円空仏の木彫作品等60点、長谷川氏は、自然破壊や平和な暮らしをテーマにしたCGや切り絵の10点がギャラリーを埋めていた。
     不思議なことに作陶とCG、一見相反する表現活動ととらえてしまうが、ギャラリー空間は、違和感等全くなく、それどころか絶妙な調和・一体感のある力動性が生まれていると感じた。これは、表現活動や作風は異なっても、酒井氏と長谷川氏の長きにわたる親交とともに研鑽しあいながら開催してきた二人展の歩みならではのものと感じた。
     タイトルにあるようにこんな素晴らしい二人展が今回をもって「ファイナル(最後)」となることが少し寂しい。

2018 10月  

  闇と光のいま 横山明男個展

  • 会期 2018年10月5日(金)~10月10日(水)
  • 会場 ギャラリー満喜田 高山市本町2丁目84
  • 18横山 明男 個展“闇と光のいま”

     4年前の6月に銀座4丁目朝日画廊で個展を開催した。17年間求めてきた「青い逆光の世界」を描いた納得のいく個展だった。でもその先にあったのは・・・「青」へのときめきが弱く感じられていくことだった。
     なぜ!? 何が足りないのか?・・・自分の画面にときめきを求めてもがく。もがけばもがくほど“画面に描けない己の力のなさ”を痛感させられる時が過ぎた。
     ある時、まだ青を両手に握りしめたまま新たなときめきを求めている自分に気付いた。このままでは“ときめきを描く新しい自分の世界”はつかめない!しかし、これまで17年間握り続けた「自分の青」を手放すのは怖かった。でも、ときめきを感じないまま描き続けることのほうがもっと苦しかった。
     もがく中で・・・ふと幼少のころの記憶“漆黒の闇”が頭の片隅をよぎった。そして、光は35年前からの自身のテーマであり常に自分の世界の中にあった。この瞬間、自分の中に「闇と光」が結びついた新たな画面を予感した。
     このときから、青を手放した自分の“闇と光の世界”に向う試行錯誤が始まった。しかし、自らが思い描くイメージと実際の画面との乖離は大きかった。思うような画面には近づかない。自分の力のなさをまたもや強く感じさせられた。頭の中ではいくらイメージを膨らませても、自分の世界には近づかない。頭の中でもがくのではなく、直接画面の中で楽しみながら一枚でも多く描こう!
     「己の力のなさは 己が積み上げる量で補う」・・・私にはこれしかない!!何がみえてくるかドキドキしながら描く瞬間こそを大切にしようと思った。とにかく毎日描き続けることが「いまの私」なのだと思う。この思いを大切にしながら、今年もこれまで大小60点以上の作品を描いてきた。
     こうした過程で生まれた「闇と光のいま」の47点です。・・・どうぞご高覧下さい。

2018 8月  

  円空仏を彫ろう(NHK文化センター) 第5回作品展

  • 会期 2018年8月22日(水)~9月2日(日)
  • 会場 カフェ&ギャラリーパウゼ 岐阜市長良東3-38
  • 「円空仏を彫ろう/第5回作品展」に伺った。「NHK文化センター岐阜教室・円空仏を彫ろう」(講師 酒井賢氏)に通う会員19名の作品発表の展覧会である。講座は今年11年を数え、ますます会員数・会員の制作意欲と作品の量と質も充実してきた5回目の作品発表展示会である。
    ★「円空仏を彫ろう」の原点は、講師酒井賢氏と「円空仏との出会い」である。それは、昭和33年、当時、「円空」の足跡と「円空仏」発掘調査を懸命にされていた「美学・美術史」の故土屋常義教授の講義に遡る。土屋教授の「円空の世界」に出会いつつある躍動と感動が「迫力」となり、学生であった酒井氏の胸を揺さぶったのである。その後の氏の人生に円空研究・円空仏を彫ることは欠くことはできない必然的なものとなっている。
    ★その酒井氏の円空教室に集う19名の会員の姿や作品について、氏はこう語る。「教室で真剣に素材に立ち向かい円空仏を彫る各会員の姿は、美しい。それは心に描く円空仏に向かって、意思や情熱、自身の体と腕と眼と指先、それらの力動性あるベクトルを総動員して、鑿や彫刻刀の刃先一点に集中して彫り進む、まさにその純粋な瞬間、瞬間が美しいのだと思う。円空仏を彫る動機は、愛する肉親との死別や自身の健康、命の尊さや生命あることへの感謝、現実の苦しさ辛さの癒やし、そして、苦労努力して彫り上げることの喜びや感動など、会員皆がそれぞれに胸に秘め、胸に抱いて頑張っている。・・・」
     こんな想いのこもった作品展、是非「私の円空仏を見てください!」

個展等

2018 8月  

  第39回 沓井会展
 

  • 会期 2018年8月21日(火)~8月26日(日)
  • 会場 岐阜県美術館
  •  今年も沓井会展が8月20日から開催されている。この沓井会展は,加納・陽南中学校に在籍した美術教師OBと現役により,昭和55年から毎年開催している。
     沓井会展は,美術教育に携わる教師として,自己の美的感覚を磨く創作活動を通して,次世代を切り開く子どもたちの生きる指標となると確信して,開催している。
    今回も16人,油彩画から立体等多彩な表現の35作品がフロアや壁面を埋めている。
     特筆すべきは,前会長の粟野守之氏(本年2月ご逝去)の追悼コーナーがある。
    ■粟野守之氏コーナー 
    「わらつぼ」      
    30
    「作品」        15
    「息子」        10
    「揖斐川の風景」     8
     若き日のパステル画や版画4点を今回ご家族のご協力によって,展示が実現できた。これまで熱く美術教育を語り,精力的に最期まで創作活動を続けてこられた先達の作品から,沓井会展への熱き思いと残された後輩へのエールを強く感じた。

2018 8月  

  第36回 桃林美術展
 

  • 会期 2018年7月30日(月)~8月5日(日)
  • 会場 ギャラリー鮎 ※058‐266-7291
  • 4日、ギャラリー鮎に伺った。第36回という歴史のある桃林美術展、14名の長良中学校の現役・OBの教員の多彩な絵画「アクリル・水墨・油絵・パステル・CG」、彫刻「木彫・石彫」、写真、ちぎり絵等が壁面にところ狭しと目を楽しませる。聞くところによるとOBの教員は美術教師ばかりではなく、他教科の教員も半数近く、作家活動を今なお進め、精力的に発表しているということだった。こうした有志の集まるグループ展、歴史の意味が分かった気がした。