12AT7-LM380 BTLアンプ (Bluetooth付き)





 最近こちらの趣味から遠ざかっていましたが、NetでLM380革命アンプ/非革命アンプというものがあるのを知りました(何周遅れや(笑))。 LM380自体がたいそう懐かしかったこともあり、面白そうなのでBTLで組んでみようと思い立ちましたが、そうとなれば非平衡→平衡 変換回路が必要になります。普通ならばC1815あたりで簡単に差動アンプ作ればいいのですが、部品箱からこれも懐かしい555が出て来た もんですから、そうだ、チャージポンプで昇圧して真空管差動アンプにしてやれ…的にお楽しみが始まってしまいました。
 秋月の12V2AのACアダプタを電源に、発振周波数約60kHzで+側を4倍電圧、-側は倍電圧すると、負荷3mAで+32V、-10V程度が得ら れました(0~12V弱の矩形波からの整流ですので、-側は倍電圧で反転になります)。 そこでたくさん手持ちのある12AT7を使ってバラ ックで動作確認したところ、いくつか球を差し替えてもまあまともに動いたのでLM380と組み合わせてアンプに仕立てました。

 右は回路図です。回路図をクリックするとpdfファイルが開きます。(戻るときはブラウザの戻るボタンで戻ってください。) 12AT7の負荷抵抗が1kΩと小さいのは、LM380の最大入力が0.4Vと小さいのでゲインがほとんどいらないことと、LM380の帰還抵抗を なるべく小さくすると反転入力の入力インピーダンスが小さくなってしまうためです。歪は増えるでしょうが、そもそも 12AT7にはエフェクター的なお仕事を期待しているので気にしないことにしました。LM380は2つとも差動増幅器として反転/非反転の両入力に 信号を入れています。別にそれぞれのICを平衡入力にしなくてもいいんでしょうが、555の60kHz発振が盛大なノイズ減になりそうで なんとなくそうしています。 12AT7の平衡出力間に4.7kΩを入れているのは、電源投入時に22μF出力側の電位がぴったりタイミングを合わせて変化するわけではないので、 BTL出力側に大きな電位差が出るためです。4.7kΩがないと、LM380の入力に保護ダイオードを入れてもBTL出力には電源投入時5V程度の電位差 が現れ、スピーカーのコーンがふかふか揺れますが、4.7kΩをつけると0.4V程度に抑えられ、精神衛生上非常によろしいです。 なお、LM380は8個買って出力電位の近いものを2組選びましたので、定常状態での出力DC漏れは10mV程度にできました。

 回路図にはありませんがブルートゥースユニットはアマゾンで買ったのを適当につけてあります。買ったものの説明書も何もないのでNetを漁っていると、偶然かつ幸運にも 有名なぺるけさんのホームページで同じ機種を詳しく解説してあるのを見つけ、参考にさせていただきました。 とはいうものの、改造は非常に手抜き(オペアンプの帰還は抵抗増設のみ、LPFは220Ω/0.022μF+390Ω/0.0047μFの 2段CRフィルタ)です。LPFは個人的な理由であえてカットオフを下げてます。通常なら220Ωのところは100Ωでしょう。

 あまりきれいな配線ではありませんが内部写真です。 (戻るときはブラウザの戻るボタンで戻ってください。) LM380には約20㎜角 の銅板を放熱ピンに半田付けしてあります。連続最大出力だと1分程度でかなり熱くなりますが、通常の音楽再生では結構な大音量でもほんのり 暖かくなる程度です。

一応簡単に特性は計測しましたが、歪率は計測側の問題で値が安定せず、うまく取れませんでした。ざっと見ですがおおむね1Wで0.6%程度というと ころでしょうか。鳴らしてみるとなかなかまともですよ。私には十分の音が出ています。

<特性> 負荷は8Ω抵抗



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