SIEMENS C3m 三結パラプッシュアンプ(2002年6月完成)
 最近直熱三極管の前段に使われる例が見られるC3mですが、もともとはドイツの電話局で使われて
いた10000時間保証の高信頼五極管で、電圧増幅の他、小出力の電力増幅動作例も発表されています。
ブラックのメタル管にSIEMENSのイエローリボンがいかにも格好良いのと、その素性からすると価格
的にかなり割安感があることから、こいつを主役にした小出力アンプを計画してみました。 
動作例では五極管接続シングルでPo=1.5Wということですが、
Ep-Ip曲線
を眺めるとそれほど無理なく三結で1W弱得られそうです。 かなり安価に12本も入手できたことと、
ケースの上にずらりと並べたかったので、パラプッシュということにしました。
 本格的なアンプ設計・製作は約5年ぶりということで、このアンプに先立ち、まずは簡単な三結シ
ングルアンプを作って動作条件等の確認をいたしました。
 実験アンプということでマッチ箱のようなトランスを使ったのですが、とにかく弦楽器の音がきれ
いで、すっかり惚れ込んでしまいました。 この実験アンプは、酔った勢いで近所のTex-Mexバーに
持ち込んだところ、1W+1Wのくせにお店のメインシステムになっています。お客さんからギターの音
が秀逸と評判との事で、ここ1年ほど連日12時間以上鳴らしてくれていますが、no-troubleです。(残念ながら2003年に入り、ついにお蔵入りのようです。) 
 ということで、その動作条件をベースに純A級パラプッシュを設計しました。 ケースも一から作る
ぞと気合を入れたのですが、仕事も忙しく、結局ケースの製作に3ヶ月もかかってしまいました。 
アルミ角パイプをフレームにし、アングルと皿ビスでパネルをつけていくというものですが、
鍋タッピングねじ、M3タップ+皿ねじを各120本打ちました。 苦労した割りにルックスが今一なのは
センスのなさゆえか・・・。 中身は、
回路(pdfファイルです)
的にはアホみたいなものですし、CR類も地方で手に入る当たり前のものばかりです。 それでも音は、
先ほどのシングルアンプに幅が出来たような感じになって、ニンマリという所でしょうか。(ハイエ
ンド?はシングルの方がきれいかな) 実はこのアンプに合わせてSIEMENSの17cmフルレンジ(C72233-A42)を仕入れ、
後面開放箱
をこさえて放り込んでみました。 このスピーカーは出色で、このラッパあってのアンプというところです。
 
 ・最大無歪出力 4.5W+4.5W(クリッピングポイント)  特性測定結果  出力波形
 
 ・NFB 7dB  (ECC81使用時。現在はECC82をそのまま差し替えています。) 
 
 ・2石直結式EQアンプ内臓(これはスペースが余ったのでしゃれのつもりで放り込みました。)
 クリックすると写真が見られます。  
正面  
真空管部   
内部  
内部拡大
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