せめてバルブの擦り合わせはやっておきたいけれど、ステムシール交換せにゃならないし、う〜ん悩む。
どのみち近い将来、バルブ交換、バルブガイド打ち替え&ステムシール加工、ステムシール交換・・・
いっそのこと7mmの細いステムのバルブに交換して軽量化をしようか・・・
不調の原因判らぬまま、泥沼や・・・・
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国産車流用バルブ

現状のバルブ周り要修理状態だったので、どうせならステップアップということで、
今よりステムが細い物をチョイスし、軽量&空気抵抗軽減を目指し、国産エンジンデータブックからバルブのサイズを探し出し、オーダーする。
部品がやって来ました。 国産車流用チューンはたして上手く行くのか? |

中央の2本が今回入手した国産車バルブ、次に今まで使っていたビックバルブ、
両端は純正バルブです。 |

左が今までの仕様、右が今回入手した国産車流用バルブ
EXバルブの全長が長いので加工が必要。またスプリング長をキープする為、
台座の制作、バルブガイドの制作等が 課題です。
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国産流用バルブちょっと加工が大変になってきました。
まず、EXバルブが長過ぎるのでカットしなければなりません。
次にINのコッターの位置が低すぎる為、コッター溝を新たに作らなければなりません。
で、問題はリテーナー・・・
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左がFIAT500純正リテーナーで、右が流用リテーナー。
これではスプリングが圧縮され過ぎて、バルブに荷重がかかり過ぎてしまいます。
流用の方はDOHC用だしコッターからの突き出しも多く、データブックの数字からはいい感じなのですが、簡単には流用させてもらえません。
ステム径6mmでSOHCの形が合そうなリテーナーを探すか、図面を引いてリテーナーを作ってもらうといった方法になりそうです。
データブックや、パーツリストの図からでは本来の形状が予想し難く、手元に届いてからようやく形状が確認できるといった状況で、基本的に返品も出来ないし、どうするのか悩み所です。
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悩んでいます・・・
バルブのスプリング荷重を考える時、プッシュロッドやリフターの重量
はどのように考えたらいいのでしょうか?
つまり今回の流用バルブには同一エンジンの流用スプリングを使用する予定です。
スプリングのセット長は国産エンジンデータブック記載の長さでいいものなのか?
プッシュロッドやリフターの重量を加味してもっと強い荷重が必要なのか?
(セット長を更に縮める必要がある)
ただカムのリフト量を考えると、あと1mm位しか縮められそうにないですが。
下記の図面はデータブックに基づいて設計しているけれど、不安になってきた・・・
どなたかアドバイス下さい。参考になるサイトとかでもいいです。
実はFIAT500の純正スプリングの方が自然長が長く、更にダブルになっています。
つまり流用スプリングの方が柔らかいことになりそうです。
(流用はシングルで不等ピッチ、巻の外径は同じで自然長は短い)
通常ハイカムやビックバルブを使う場合のチューニングは強化スプリングなどを使い、純正スプリングより硬い方にもって行くのがセオリー。
不用意にスプリングを硬くしてフリクションロスを増大させるのも嫌だし、FIAT500の基本設計を信じるべきなのか?
流用バルブだから国産エンジンデータブックを信じるべきなのか?
但し流用バルブはDOHCでプッシュロッドやロッカーアームも無い訳で、動きも軽く、やっぱ硬い方向が正解なのかなぁ・・・
バルブの重量はかなり軽くなるのだけれど・・・
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リテーナーの図面ちょこっと改良

加工屋と話し合いをして、材質はクロモリに決定!
なるべく軽量にしたいけれど、肉抜きがどれだけできるかが鍵。
決定つうことは・・・何日かかるのやら?
バルブEXはステムの頭をカットし、INは全長はそのままでコッター溝を新たに削る
う〜加工屋手強し・・・
いつも時間がかかってしまうのは、加工屋さんがなかなか作業してくれないからで、今日も進み具合を覗きに行ったんだけれど、まだヘッドは洗浄槽に入れられたままで、先週の土曜日から全然作業が進んでませんでした・・・
どうしてもお得意さまの車屋が優先で、めったに仕事を出さない一般人は後回しにされがち。
自分の車に対する情熱を主張してみたり、若手にエロ系のおみやげを渡してみたり、今週は加工屋さんに媚び媚び作戦を展開しているのですが、あまり効果
なし。
昔、燃焼室をハート形にしてもらった時は2ヵ月以上かかった実績もある・・・
以前は一週間前に渡した部品が箱も開けられることも無く、自分が一週間前に置いた場所から1mmも動くことなく放置なんてこともよくあった。
最近は仲良くなって、かなり早めに作業してもらえるようになったにはなったんだけど、でもでも、やっぱ待ちどうしいー!
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バルブガイド製作、ガイド打替え/シートカット
↓
バルブの突き出し量確認/リテーナーの図面見直し
↓
バルブ加工/リテーナー製作/バルブ擦り合わせ
↓
エンジン組み立て/エンジン載せる/不調の原因究明
赤字は加工屋の作業、緑字は自分でやる作業、
いったいいつになったら復活できるのやら?
予定変更
加工屋さんがなかなか作業をやってくれないので、その間いろいろ考え、
二つのプランが思いついた。
プラン1
リテーナーはそのまま流用でヘッド側を削る。
現在ヘッドはバルブガイドを抜いた状態なのでいっその事リテーナーはセンティア用をそのまま使い、スプリングが納まるベース側、つまりヘッド側を掘り下げる事を思いついた。
リテーナーを1から作るのは費用もかかかるし、なんせ時間が・・・
プラン2
リテーナー、スプリング共に他の車種に変更する。
センティアのバルブ を流用するのだからバルブスプリングも当然センティア使うべきと思い込んでいた。
前に同じステム径のバルブということで、デミオのリテーナーを流用しようと思い入手したことがあったけれど、こちらは小さくまったく使えないなと思った。
そしてきっと他の車種もダメだろうと諦めていた。
この時はリテーナーだけを流用するつもりであった。
しかし、スプリングごと変更すれば選択肢は拡がる。
どうせすぐに加工はしてくれないのだから、他のマツダ車もしっかり調べることにした。
ただ、調べるといっても、ディーラーのメカニックに友達がいるわけでもなく、自ら現物を購入して調べるしかない。
まずは前に入手したデミオはB3というエンジン型式で、ファミリアやロードスター等のB系のエンジン形式は除外とした。
注文したのが、KJ型式、J5型式、FS型式、KL型式、残念ながらKL系は注文してから20日かかると回答があり、KL型式は外す。
届いたリテーナーをチェック、まずJ5系はセンティア(JE型式)とまったく同じであった。
次にKJ型式、FS型式、小型でスプリングを変更するなら使えそうな雰囲気、またこの2型式は共通
品番のリテーナーであった。
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左からから、FIAT500 > JE型式/J5型式 > KJ型式/FS型式 > B3型式
そもそも今回のバルブ流用の目的を整理した。
軽量化&バルブスプリングの荷重を見直すことによるフリクションロスの軽減、
ステム径を細くすることにより、ポート内の空気抵抗を減らし、吸気、排気の流れをスムーズにする。
あとは排気側のバルブガイドにガタがあり、吸気バルブの笠も磨耗して修正が効かなくなっていたので、修理も兼ねて。
センティアのバルブスプリングの外径はFIAT500のアウターとほぼ同じで、リテーナーも大柄で重たい印象を受ける。軽量
化を目指すなら小型をチョイスすべき。
悩んだ結果プラン2に決定。
ただ心配は適正なバネ荷重が受けられるかだ・・・?
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左二つはFIAT500ノーマルでダブルで使用する。右はセンティアでシングル。
ノーマルの方がかなり強力な荷重になる。
たぶんOHVのFIAT500はリフターやプッシュロッドの重量があり、DOHCでなおかつロッカーアームで駆動するのセンティアはリフターやシムがバルブの上に乗らないためより軽量
で動きも軽く、荷重も弱いと思われる。
つまり、データブックに記載されているセンティアのセット長(荷重)を今回採用すると、荷重不足になりそうで、バルブがカムの動きに追従できなくなる可能性あり、その対策としてはスプリングのセット長を更に縮め荷重をかけなくてはならない。
本日FS型式のバルブスプリングとコッター、リテーナーを発注した。
スプリングの巻径が更に小さくなるので、セット長の設定が重要になってくる。
土曜はメーカーが休みなので、入荷は火曜日になってしまう。
どんなスプリングが来るのか楽しみ。
コッターもすんなりバルブ溝にハマることを祈っています。
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バルブスプリング
スプリングの荷重について調べていったら、いかに勉強不足であったか、思い知らされてきた。
エンジンデータブックにはバルブの開いた時と閉じた時の荷重と長さが記載されている。私の頭では難しい計算式は出来ないので、単純に荷重と長さの関係をグラフ化してみた。
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縦が荷重で、横が長さ、赤い線がセンティアで緑の線がFS型式のエンジンに使われているスプリング特性、そしてこれらの直線をさらに左上に伸ばしてみた。
青や紺は他の車種。
センティアのメーカーが定めている最大リフト時の荷重は530N で長さが27mm。
バルブが閉じた状態で荷重211Nでセット長35.5mm。
センティアのスプリングは約24mmがもっとも圧縮された状態で、これより縮ませることは出来ない。(グラフはそのまま伸びてますが)
グラフから判ったのはセンティアのスプリングは約640Nまでの荷重しかかけられない。
FSのスプリングで530Nの荷重をかけようとすると、25mmまで圧縮しなければならない。
FSのスプリングはまだ手元にないのでもっとも縮んだ状態は不明 。
ばね径の小さいFSではセンティアと同じ荷重を得る為にはより多くの圧縮が必要であり、またバルブが閉じた時の荷重まで大きく引き上げられてしまうというのが判った。
つまり重量を抜きにしたらばね径が大きいほど良い特性だと思われる。
単に小型軽量化が良い訳ではないですね。スペース的な制約があり、メーカーも特性は妥協している可能性があり。
FSを使い小型化軽量と思っていたのだけれど、最終的にセンティアにした方がいいように思えてきた。
今回必要な荷重は530N以上、 リテーナーもセット長を基準に図面を描いていたので荷重不足、設計やり直しです。
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FSのバルブスプリング
本日入手したFS用のバルブスプリングを測ってみたらフルストローク時に約26.4mmしか縮まらない、グラフからいくと約489Nの荷重しかかけられない。
最低でもセンティア標準の530Nは必要だと思っていたので、ガッカリ・・・
スプリングを1個だけ購入して測定すればよかったのに、スプリング、リテーナー、コッター全ての必要数を購入、また不要なコレクションが増えてしまった。
リテーナーが大きくなって少し重くなるけど、やっぱセンティアのスプリングでいこうかなぁ・・・
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左からFIAT500(2重)、センティア、FS型式
バルブガイド
バルブ関係最終的な仕様を決定した。
加工屋さんがなかなか作業してくれないおかげで、いろいろと考えることや勉強ができ結果
的にはより煮詰めることができた。
ヘッド側を削るのは加工屋さんのアドバイスで強度的にやめた方がよいと言われたので、今回は素直に従い他で調整することに。
バルブガイドの図面を加工屋さんに渡してきた。
今回のポイントはガイドがズレないようにツバ付きであることと、スプリングの下敷きが薄い為(FIAT500用ではない)、ガイド側で固定するところ。また、ステムシールが取り付けられること。
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右側(ツバ付き)を作製する予定
加工屋さんこだわる
ヘッドの様子を見に加工屋さんへ行ってきた。
今日は終わりがけに覗いたので、作業の邪魔することもなく、フライス担当の若手といろいろな話ができた。
バルブガイドを抜いた穴の状態が悪く、ヘッドはフライスの上にセットされ、リーマーをこれからかける状態になっていた。
バルブは斜に配置されている為、フライスにセットするまでが面倒で、水平を出す為だけにガイドを作らなくてはならない。
作業に時間がかかるのは、職人気質でこだわりがあり、例えば今回のリーマーをかける作業1つ取ってみても、精度の高い仕事をする為に手作業ではなく、わざわざフライスにセットするのである。
たぶんいい加減なところなら、穴も修正することもなく、いきなりバルブガイドを打ち込むか、もしくは穴を修正するにしても手作業でリーマーをかけてしまうのではないだろうか?
そんなモノ造りに対するこだわりが安心感を抱き、本格的に作業に入った作業風景が何より嬉しく思えた。
今週末が微妙な納期と言っていたので、上手く行けば来週にはエンジンが組めるかもしれない!
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遂にキター!

やっと加工屋からヘッド上がってきました。
長かったー、ホントに長かったー
あまりに嬉しいので今回は写真が満載です。
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リン青銅で製作したバルブガイド、ツバ付き&ステムシール付き。
EXのバルブは長さを詰め、INのバルブは新たにコッターの溝を彫りました。 |


バルブシートEX側作り直し、これも納期が延びてしまった要因です。
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早速組み付け動作確認、慎重にクランクを廻し、バルブの動きを観察。
バルブのフルリフト時もスプリングは完全に密着することもなくひとまず第1段階はクリアー出来ました。
やはり机の上だけの計算だけでは読み切れないこともあるので、実際に組み付けるまではドキドキでした。
さて年内復活に向けてがんばるぞー!
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プチなこだわり
私のFIAT500は後期のモデルでRタイプとなります。
これは前のF/Lタイプとは異なり、キャブレターに繋がるポート径が広くなり、改良がなされています。
しかし1つ問題点が・・・
ポート内は混合気がスムーズに流れるよう出っ張りを極力無くすのが基本なのですが、Rタイプの場合はシリンダーヘッドナット下のワッシャーがポート内に出っ張るのです。(ネジ位
置がそのままで、ポートのみ拡大された為)
これではせっかくポートが拡大されているのに、ワッシャーの為に気流が乱れてしまいます。
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そこで、ワッシャーの一部をカットし出っ張りを無くしました。(正確には鉄から作って焼き入れしました。
)
これをやったから効率が良くなったというデータはありませんが、ひと手間かけたぞっていうことで気分が変わってきます。
FCRやビックバルブといった派手さはありませんが、こんなプチなこだわりの積み重ねの方が通
なチューニングぽくありません?
一般人にはなかなか理解してもらえない、ホント自己満足の世界ですね。
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