平成20年の抱負 平成20年1月のテーマ
 明けましておめでとうございます。
 昨年中は多くの方々にご指導賜りまして本当に有難うございました。開業以来ここまで順調にこられましたのも、皆様方のお蔭と深く感謝致しております。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
  

 さて、このホームページを立ち上げてから約5年がたちました。その間多くの方々に利用して頂きまして本当に感謝申し上げます。
 そこで、年始にあたり、このホームページに新たな項目を2つ追加したいと考えています。
 一つは、
「鍼灸最新情報」の項目です。
 例えば、
『【9月25日 AFP】腰痛には従来の治療法よりも「はり治療」が効果的だとするドイツの研究チームによる論文が24日、医学誌『Archives of Internal Medicine』に発表された。
 研究を主導したドイツのレーゲンスブルク大学のミヒャエル・ハーケ博士率いるチームは、8年にわたり腰痛症状を抱える患者1162人(平均年齢50歳)を対象に臨床試験を行った。
 まず、対象患者を無作為に3グループにわけ、第1グループには、はりを皮下5-40ミリの深さまで刺す「中国式はり治療」を30分間、2週間おきに合計10回施術した。
 第2グループには、皮下1-3ミリにとどめる「疑似はり治療」(私はこの治療法は「疑似はり治療」ではなく鍼治療であると考えます。)を行った。
 残る第3グループには、薬物投与、理学療法、リハビリ運動などの「従来治療法」を施した。
 半年後、腰痛症状の改善がみられたと回答した患者は、「中国式はり治療」を受けたグループで47.6%、「疑似はり治療」のグループで44.2%だった。一方、「従来治療法」のグループでは27.4%にとどまった。
 また、施術後の効果の持続性についても、「はり治療」が「従来治療法」に勝った。
 これらのことから、痛みの発現、中枢神経系を介した痛みシグナルの伝達・制御に「はり治療」が有効であること、さらに、「はり治療」の作用機序(薬物が人体に作用するメカニズム)のほうが「従来治療法」の作用機序よりも優れていることが明らかだという。
 ハーケ博士は論文のなかで、「腰痛は生涯に70-85%の人々が経験する一般的な疾病ながら、痛みが長期におよぶことから、職場での欠勤や身体障害の主要因になっている」と指摘。「慢性腰痛の有効な治療法の1つ」として、「副作用や禁忌の心配もない」はり治療を推奨している。
というような内容の鍼治療の実証医学的な研究報告が最近多くなってきています。しかし、これらの情報は思ったほど世の中に伝わりません。 
 様々な疾患で苦しんでいる方々に対して、正確な鍼治療の情報を伝えてゆかなければならないと考えています。
 もう一つの項目は、
「院長のひとり言」です。
 これは、日頃考えている取りとめもない疑問や感想などを不定期で掲載していきたいと考えております。
 例えば、
私は師匠の黒野保三先生に囲碁も教えて頂いているのですが、「鍼灸と囲碁」はよく似ている点がたくさんあると思っています。
 それはまず、WHOが定めている経穴(つぼ)数は361穴ですが、碁盤の石を打つところも19×19=361あります(これはもともとの考え方が同じなのかもしれません)。そして、経穴に要穴と言われる重要な場所があるように、碁盤にも、星や小目など重要な場所があります。そして、その時の状況に応じて、一番重要な経穴や着点が変化していく所も同じです。
 陰陽(白黒)のバランスをとること、碁盤が四角で石が丸いことなども、東洋医学的な考え方に通じるところがあると思います。
 その時の碁盤の石の配置から、次の一手を判断することに、初心者からプロの最高位までの天文学的な差があるように、体の状態を判断し、鍼治療をする適確な場所と刺激量を決定することにも、初心者から名人芸と呼ばれるような技まで大きな差があると考えます。

 やや表現がかたくなってしまいましたが、様々なジャンルの話題について、おもしろく表現できたらいいなと思っています。
 ホームページの容量の問題で、新年すぐの立ち上げが難しいのですが、早急にスタートしたいと思います。 

 平成20年も、このホームページを少しでも楽しんで頂けるよう努力していきたいと考えております。また、鍼灸治療により地域医療に少しでも貢献できるよう努力を続けることと、鍼灸治療に関する正しい情報提供ができるように精一杯がんばりたいと思います。

バックナンバー