平成19年の抱負 平成19年1月のテーマ
 明けましておめでとうございます。
 昨年中は多くの方々に、ご指導賜りまして本当に有難うございました。早いもので、黒野保三先生のところで修行させて頂くようになって11年目、開業させて頂いてからでも5年目を迎えることができました。開業以来ここまで順調にこられましたのも、皆々様のお蔭と深く感謝致しております。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
  


 さて、年始にあたり、今年の特に大きな目標を2つ掲げてみたいと思います。
 師匠の黒野保三先生は、25年以上前から鍼治療と免疫の関係について研究されてきたのですが、先生のお計らいで、現在私は、(社)全日本鍼灸学会愛知地方会研究部の生体防御免疫疾患班の班長をさせて頂いております。
 そこで今年は、本当に基礎の基礎からではありますが、免疫についての知識を深め、臨床に応用できるように班員の皆様にお伝えするとともに、患者様にもわかりやすく説明していきたいと思います。
 というのは、最近、ノロウィルスによる感染性胃腸炎やインフルエンザ、プール熱などの感染症や、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患が増加傾向にあり、それらの疾患の理解には免疫学の知識が不可欠だからです。
 また、自己免疫疾患である関節リウマチの勉強も引き続きしていきたいと考えています。
昨年は、岐阜の中島洋先生が行われているリウマチ・膠原病教室に参加させて頂き、専門の先生による最新の情報をお聞きすることができ非常に勉強になりました。
 今年も、できる限り参加させて頂き、関節リウマチに対し鍼治療で何ができるのかを研究していきたいと思っています。

 また、ここ数年、会社や家庭などでのトラブルで自律神経の失調をきたし、さまざまな症状を訴える患者様が多数来院されています。このような方々は病院で検査を受けても特に原因となるような体の異常は見つからず、積極的な治療も受けられないまま、周囲からは理解されず「なまけ病だ」などと見られて悩んでおられます。
 しかし、何かしらその方にとって強いストレスが加わり、身体の調子が崩れた場合、日常生活の中でそれと同じような状況になれば、拒否反応を示すのは当然の反応であると考えます。
 すでに、原因となるストレスが取除かれているのであれば、まず落ち着いて、身体の検査の結果に異状がないことをしっかりと認識し、身体にとってプラスになることを増やし(鍼治療は大きなプラスになると考えます)、マイナスになることを減らすことをきっちり行えば、必ず症状は良い方へ向かうはずです。良い方へ向かい始めれば、先ほどの拒否反応も薄れてゆき、さらに良い方に向かいます。
 このような症状が改善する過程には、症状の強さや、その方の性格・生き方、ストレスの増減、天候、薬、家族の協力などの要因が複雑に関係しますが、こんがらがった糸を解くように落ち着いて、順番にほどいていけばいつかは必ず解けると思います。
  昨年も、鍼治療をすることにより元気に社会生活を送れるようになった姿を拝見できたことは本当にありがたいことだと感じております。

 今年も、神経症、自律神経失調症、うつ状態、パニック障害などの患者様の治療も積極的に行っていきたいと考えています。

 鍼灸治療は副作用も痛みもなく、本当に効果的な治療方法だと考えます。
 平成19年も、鍼灸治療により地域医療に少しでも貢献できるよう努力を続けることと、鍼灸治療に関する正しい情報提供ができるように精一杯がんばりたいと思います。

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