平成18年の抱負 平成18年1月のテーマ
  平成17年を振り返って、特に感じたことは、年間を通じて気象の変化が極端であったことです。気象は健康状態に大きな影響を与えることが知られています。そのためか、身体の調子をくずされた方も多くみえました。
 このような外界からのストレスや、心配、不安などの身体の内から来るストレスが、複雑に身体に影響することを、師匠であります黒野保三先生にいつも教えて頂いております。鍼灸治療により、様々なストレスに耐えうる身体をつくることを第一とし、さらに病気を身体全体から引き起こされる1つの現象としてとらえ、総合的に解決していけるよう平成18年も学・術・道に精進しなくてはならないと考えております。
 
 さて、平成18年は、医療改革の嵐が吹き荒れる中、鍼灸を取り巻く環境もさらに変化し、厳しくなることが予想されます。逆に、鍼灸に関する本格的な研究が急速に進む可能性が大きくなり、鍼灸治療に対する一般の方々の期待が膨らんできているのもアンケート調査などに現れています。
 ところが、鍼灸治療には期待しているが、実際にどこで治療を受けたらよいかが分からないため困っておられる方がみえます。そこで、そんな方々のために(社)全日本鍼灸学会会長から、週刊朝日2005年12月23日号(12月13日発売)に医療シリーズとして「鍼灸治療特集」が掲載されましたので一部を紹介させて頂きたいと思います。

社団法人 全日本鍼灸学会認定制度について

認定制度の目的
認定制度は平成11年度から施行された生涯研修制度であり、学会員の鍼灸医学に関する学術と資質の向上を生涯にわたって図ることを目的としています。
求められる倫理性
医学・医療の職種は、人の人生に何らかの影響を及ぼす職業でありますので他の職種よりも厳しい倫理が求められます。それだけに生涯にわたって常に学術ならびに資質の向上を図ることは当然の責務であります。鍼灸医学は我が国の伝統医学であり、会員1人ひとりのたゆみない努力により鍼灸医学の向上を図らなければなりません。同時にそうすることによって鍼灸治療においては安心と安全、そして適切な診療を提供することができるものと考えています。
会員が認定されるためには
会員が認定されるためには、5年間、毎年のように学術大会、支部学術大会、支部認定講習会、地方会での様々な研修会に参加したり、学術雑誌に論文を投稿したり、本学会や他の医学会に発表することなどで与えられる点数をある一定以上獲得した上で、試験を受けて合格した会員のみが認定される制度であります。
5年ごとに更新しなければならない
学会認定は生涯研修の一環ですから一度取ればよいということではなく、5年ごとに更新しなければならないというかなり質の高い内容になっております。
学会認定者数は
合格者は現在の所3百数十人しかおらす(会員の一割強)、更新に際しては3割程度の認定者が脱落していくという非常に厳しいものです。よって、学会認定者には正に学術に研鑽している会員である証であり、文部科学省より認可されている鍼灸界唯一の法人学会である(社)全日本鍼灸学会の名において認定しているものであります。
学会認定者を知るには
全日本鍼灸学会のホームページで知ることができます。学会のホームページ(http://www.jsam.jp/)から学会認定のところにある認定者一覧で都道府県ごとに調べることができます。
以上は、記事の中で認定制度について説明された部分を抜き出したものです。
 ここで強調したいのは、黒野保三先生を中心とした東洋医学研究所グループの先生方は全員認定証取得者であることです。このことを、平成18年は鍼灸治療を受けたいのだけれども、どこへ行ったらよいか分からない方のために、アピールしていきたいと考えております。
 鍼灸治療は副作用も痛みもなく、本当に効果的な治療方法だと考えます。
 平成18年も、鍼灸治療により地域医療に少しでも貢献できるよう努力を続けることと、鍼灸治療に関する正しい情報提供ができるように精一杯がんばりたいと思います。

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