真空管アンプ組込み用ニキシー管DMM





 溜め込んだ手持ちの真空管に灯を入れたくて、別掲の板っ切れユニバーサルアンプをでっち上げて楽しんでいましたが、「本格的にちゃんとした筐体に入れて、B電圧も可変にして、三結、五結、UL切替にして、Rkもサムホイールスイッチなんか使って・・・。」なんて構想(妄想)が膨らんできました。
 B電圧可変となるとモニターが必要だから、もちろん電圧計も内蔵で、ついでに電流計もとなります。 趣味性から言えばまずはアナログの針式ですが、今でもNetを検索すれば、実用的な角型透明プラケースのものからWEレプリカなんて称する丸型のオールドファッションタイプまで、いろいろ手に入るようです。当初はそんな中から選んでみようと思っていました。

 ちょうどその頃、アンプとは全然関係ないのですが、私の人生とともに歩んできた(?)とも言える名鉄7000系パノラマカーが引退するというニュースがありました。先頭座席に座れるとうれしくてうれしくて・・・という幼い日々を思い出しつつ、なんとも寂しい思いがあります。(2009年、ついに引退しましたね。)

 「そうだ、ニキシー管だ。」 そうなんです、パノラマカーの先頭車には、丸型ニキシー管のスピードメーターがついていて、100km/hを超えると子供たちの歓声が上がっていました。後に蓋されてしまいましたけれど。(探すと写真あるんですね。勝手にリンクさせてもらいました。) それを思い出し、アンプにニキシー管の表示部を組み込み、EpやIpをDMM的に表示したい!となっちゃいました。 そうなると、もう頭の中はニキシー管で一杯です。(実に単純ですね。)

 Netで検索すると、既に国産は入手難のようですが、最近ニキシー管時計がはやりなようで、ロシア製が結構売られているようです。 2chのEp、Ipを同時表示したいと思ったので、最低でも12本(3桁×4表示)は要るなということになり、ヤフオクでロシア製を12本、ソケット付で入手しました。 IN-12Bという型番で、小数点もついてます。 5の文字が2のひっくり返した形なのがちょっと気に入りませんが、まだ在庫は豊富にあるみたいなんで、寿命が来ても交換可というのを重視しての選択です。パノラマカーのように蓋しちゃうとまずいですからね。

 というわけで、まず表示回路ですが、手持ちに秋月電子の"PIC-Basic"というBasicインタープリター付のPICモジュール(16F877)があり、8chの10bitADCを内蔵していますから、これを使うことにしました。 このモジュール、今は絶版のようですが、N88BasicでPCデビューしたおじさんにはとっつきやすくてよかったですね。 最終的な表示部回路図です。   (Pdfファイルはこちら)



 PICの8chのADC入力は以下です。+Vrefの2.5VはTL431ACZで作っています。(正確には2.490V) -Vrefはアナロググランドに結んであります。どうやらBasicにバグがあり、-Vrefは使えないようですが、製作時は知りませんでした。 信号入力全ては、別モジュールのアナログ回路でフルスケールがDC2.5Vになるよう調整した上で入力しますので、各入力はロータリースイッチで切り替えているだけです。
  RA0 Ch1_Ebb/Ep/Esg/Eout ・・・Display0
  RA1 Ch1_Ip/Isg/Ein    ・・・Display1
  RA2 +Vref(2.5V)
  RA3 -VRef(Analog Gnd)
  RA4 Ch1_Ek
  RA5 Ch2_Ebb/Ep/Esg/Eout ・・・Display2
  RA6 Ch2_Ip/Isg/Ein    ・・・Display3
  RA7 Ch2_Ek
 ロータリースイッチは2回路で、信号切替でないほうはプルダウンスイッチにしてPICに信号種類を入力するとともに、小数点ON/OFF用の高耐圧TRを直接ドライブします。 PIC内部では2.5Vフルスケールの電圧を信号種類によって直読表示できるよう演算しています。なお、Ekだけは独立で入力しているのは、EpやEsgは正味(Eb-Ek)となるよう演算するためです。

 ニキシー管と同時にドライバーTTL-ICを12個入手(К1551ИД1 = 74141)できたので、ニキシー管はスタティック点灯にしました。PIC-Basicはさすがに遅いので、12本のニキシー管をダイナミック点灯するのは少々無理があると考えたことと、少しでもノイズが減るかなと(多分大勢に影響ないが)と思ったためです。 出力ポート4bit分を一つのデータバスにし、74LS77でラッチして2表示分(ニキシー管6本)に当てています。まだ売ってるんだと思い、あえてTTLのラッチを使いました。30年近く前の大学時代を思い出します。89年版TTL-IC規格表をダンボール箱から引っ張りだしてきて見てました。懐かしいです。
 なお、そうこうしているうちにどうしてもポートが一つ足らなくなったので、PIC-Basicモジュール中で接続されているRB14のポートとRS232C通信用ADM232間の0Ωを外し、ジャンパピンをつけて書き込み時接続、動作時開放として使用しました。
ソースコードははこちらです。 ソースコードと言えば聞こえがいいですが、かなり汚いPGMですね。N88時代から全く進歩していません。

 ちょっとボケてますが基板写真です。 モジュールその1 モジュールその2 組立その1 組立その2(両側はアナログ基板)

 さて、アナログ部(電流関係を除く)ですが、直流電圧は抵抗で分圧したあとOPアンプバッファ(*)をかませているだけ、交流電圧(アンプの入出力用)は教科書どおりの絶対値回路です。回路図(Pdfファイル)はこちらです。 交流電圧は、アンプにファンクションジェネレータ(秋月のキット)を仕込んで、NFBの量を表示を見ながら調整しようと言う目論見で付けました。いずれも、多回転半固定抵抗で出力を2.5Vがフルスケールになるよう調整します。 基板写真はこちらです。

*2011.12.3:OPアンプは最初は手持ちのNJM2043DDだったのですが、何気にオシロをつなぐと見事に発振してました。PICのADCでは高い周波数は拾わないので気がつかなかった。よく考えれば2043DDはゲイン20dB以下はだめと資料にあるので当たり前、バカですね〜。それでたまたまあったNJM2190Dに交換しました。信号はほぼ直流なので発振さえしなきゃなんでもいいんですが。 絶対値回路もちょっと発振気味でしたが、2043DD以外の手持ちOPアンプが100kHzでレベルダウンしたので、出力に100Ωをはさんで誤魔化しました。とりあえず安定動作してます。

 電流は、カソード電流とプレート電流をそれぞれ2Ωの検流抵抗で電圧変換しています。 回路図(Pdfファイル)はこちらです。 プレート電流はフローティングで測定する必要がありますから、AVAGOのHCPL-7800というアイソレーションアンプをNet通販で入手し、小型トランス(一次-二次間1.5kV耐圧)と78LM05の独立電源で動作させています。 最初はスマートに高絶縁のDC-DCコンバータを試したのですが、スパイクノイズが消えず(といっても1〜2mVがアンプ出力に乗るだけですが、やっぱり気持ち悪い)、オーソドックスなトランス式に変えてます。 スクリーン電流はカソード電流-プレート電流で求めます。PICの演算でできれば簡単なのですが、すでにポートも一杯なので、オペアンプによるアナログ演算です。 もっとドリフトするかと思ったのですが、非常に安定しているのでまあメデタシです。 電流検出用基板には電圧分割用の高抵抗(1/4Wの1MΩのシリーズ・パラレル・・・1本切れても安全)も乗せており、高圧部分は穴あきユニバーサル基板の2ランド分以上離しすとともに間の銅箔は剥がして絶縁を確保しています。 基板写真はこちらです。

 調整後(といっても手持ちのデジタルテスタの表示に合わせただけで、値は目安です。まあ自家用ですから)、早速板っ切れアンプをUZ-42のUL結合仕様にして接続してみました。B電源はダイオード整流として、その部分に電流用基板を載せてます。 タイトル写真はそのときのIk/Ek、Ip/Ep、Isg/Esgの表示を並べたものです。
 さて、筐体作り、完成はいつのことやら。 単身赴任中では、長期連休以外思うように動けず、なかなかままなりません。





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